売却不動産の中には住宅ローン1本だけではなく複数の抵当権・根抵当権が付いた物件があることがございます。そのような不動産を購入する契約を締結しても良いのでしょうか。
①複数の抵当権がついているものの、債権額の合計額が購入金額を下回る場合
⇒このような場合には、売主は売却金額で残債額を完済できるので全く心配はいらないでしょう
②抵当権設定額が購入金額を上回るものの、【設定額-(設定年から経過した年数)×70万円】≦購入金額である場合※抵当権設定額3,000万円、購入後10年経過、2,500万円で購入する場合
⇒このような場合も、売主は売却金額で残債額を完済できるのでほとんど心配はいらないでしょう
③上記に当てはまらず、明らかに実質債務が購入金額を上回るような場合
⇒このような場合には、不動産仲介会社に抵当権者から抵当権抹消の事前応諾が得られているか、手付金の保全措置(手付金預り)を講じるか確認する必要があります。せっかく売買契約を締結しても抵当権抹消の承諾が得られずに解約、支払った手付金は売主が使ってしまって戻ってこないというケースも想定されます。
④抵当権や根抵当権だけではなく、差押等がなされている場合
⇒このような場合には、税金や各種保険料等を支払っていない場合が多く、不動産売買契約から決済時(残代金支払い時)までに新たな差押等がなされる場合がありますので、売主の残債が全部でいくらぐらいあるのか正確に把握しておく必要があります。