Daily Archives:2015年11月14日

<

不動産の買主は、新住所と旧住所、どちらで手続きしたほうが良いの?

不動産売買契約を締結し、住宅ローンの本申込も終わると、残りは銀行とのローン契約と決済(登記)手続きになるのですが、このローン契約と登記手続きを契約時の住所(旧住所)で行うのか、新居の住所(新住所)で行なうのか問題になります。

銀行ローンの担当者は、新住所で手続きを行うことを勧めてくることが多いと思います。なぜならば、新住所で手続きしておけば、登記時や決済後に余計な書類が不要(住宅ローン控除、登録免許税の軽減、不動産取得税の軽減)になりますし、決済手続き後に旧住所から新住所へ変更する手間が省けるからです。

一方、行政上の基本的な取り扱いは、新住所へ住民票を移すのは、実際に引越しが終わってからという形になります。従って銀行担当者が勧めるように、決済手続き前に新住所へ住民票を写し、ローン契約や登記手続きを新住所で行うことはできないはずです。

ところが、一部の自治体では実際に引越しが終わったかどうかは申請者の申告に任せているところも多く、窓口で実際には引越ししていないにも関わらず、引越ししたと申告して新住所に住民票を移すこともできるのです。ただ、窓口担当者から引越しが終わったんですよね?と聞かれるので、そうですとウソをつかなくてはなりません。また、厳しい自治体では引越ししていないことがバレてしまう場合もあるので注意が必要です。

不動産業界の専門サイト(レインズ)を悪用。空き部屋で不正購入品受け取り。

 11月7日に新聞記事にされていた標記事件ですが、不動産業界に勤めているものであればこんな日が来ることは想像に難しくないことでしょう。一般の人にはわかりにくいシステムかもしれません。どのようなことなのでしょうか。

 売却不動産の中には、居住中の物件の他、空室となっている物件があります。更に、空室となっている部屋の中には既にリフォーム済みのものや、テーブルやベッド等が置かれているものもあります。テーブルやベッドを置いてあるのは、売主である不動産業者が物件を販売しやすくする様見栄えをよくするために置いてあるものですが、中にはそのまま家具付きで売却している不動産もあります。空室の売却不動産にお客様をいつでも(立会不要で)お連れできるよう、現地に鍵がキーボックスに保管されて設置されています。

 そして、空室となっている物件に不動産業者が購入検討客を案内するときは、売主にキーボックスの番号を教えてもらうようコンタクトを取るわけですが、空室となっている物件を探す際に悪用されたのが専門サイト(レインズ)です。一度不動産業界で働いたものであれば分かることなのですが、レインズへのアクセスと、空室物件の検索は非常に容易になっています。IDとPWを控えていれば不動産会社を辞めたあとでも自宅のPCで容易にレインズにアクセスできます。そして空室を検索し、不動産会社のふりをして、空室の鍵を置いてある場所と鍵を保管してあるキーボックスの番号を聞き出せば、いつでも空室に出入りすることができます。キーボックスの番号を聞き出すときは通常名刺のFAXを要求されるのですが、中には大手不動産会社名を名乗ればそれだけで信用してキーボックスの番号を教えてくれる会社もあります。

 不動産営業マンの中には、仕事中に空室に置かれたソファで休んでいるものもいますし、やろうと思えば空室に1泊するぐらい出来てしまいます。そんな状況が犯罪に悪用されてしまったのが今回の新聞記事です。